処分

気に入ったものは、本当に、愛してしまう。だからなかなか処分が出来ない。
茶色のブーツも、刺繍のカーディガンも、初めて買ったJaneのコートも。
だけど、食器棚とか、テレビ台とか、エアコンとかは、
何の迷いも無く、いらないと思えば捨ててしまえる。
愛せていなかったことに気付いた。
少し前から、洋服がなかなか買えなくなった。
心の底から愛せるものしか、買いたくないのだ。
試着したときに、洋服と私の波長が合うと思ったものしか、買えなくなった。
なんとなく、で買ったものを、なんとなく、で捨ててしまうことが嫌なのだ。
限られた生活は美しい、と、ドラッグで捕まった某作家が言っていたけど、
よく分かる。


購買は、一般市民が持つ、大きな力だ。
考えて買うということは、考えて世界を作ることである。
高校のときに家庭科で習ったような気がする。
大学でも言っていた気がする。

とりあえず、私は4月中に机と椅子を買う。床の生活からはおさらばなのだ。
長く使える、愛せるものを、時間をかけて選びたい。