恩師

大学を卒業してきた。
学部の祝賀会で、一回生のときからずっと心の支えというか、
こんな態度を身につけたいという先生と、少しだけお話をした。
ほとんどの授業を一番前のセンターで聞いていた私だけども、
もう2年も前のことだし、覚えてらっしゃらないだろうと思い、
「一緒に写真をとらせてもらってもいいですか?」とおずおずと尋ねた。
そうしたらその先生は、「ああ!あなたじゃないか!見違えたねぇ。」と言って、
見慣れたあの表情で、微笑んでくださった。
その瞬間から、先生と交わした少しばかりの会話が終わるまで、
涙腺をひきしめるのに私は必死だった。

心理学と教育学を本当にしなやかに操って、子どもや親と向き合い共に解決していく。
そんな先生の姿は、私の理想とするカウンセラーだ。
何かをしてあげたいと思って臨床を目指した私には、
何もしない(ようにみえることをする)ことは難しい。
転んだ人を見たら、つい手を差し伸べたくなる。
転んだのだね、と、待つ力は今の私に無い。

いつか、また、あの先生のところに行きたいな。
そして私も、誰かに求められる人に。



学会誌に投稿するために、卒論を整理しなおさなくてはならない。
そんな、滅相も無い、、、と思っていたけど、
先生ががんがんすすめてくるので、乗り気になる単純な私。

ぐんぐん近づく。タイムリミット。
2010年の今は、果たして。

研究も、臨床も。
若いうちはおっきく出るのだ。